ロープロファイルCPUクーラー「Thermaltake Engin 27」をレビュー

5.0
engine 27 レビュー

台湾に本社を置くThamaltakeから発売された、 LowProfileの浪漫あふれるフルメタルCPUクーラーを購入したので、レビューします。

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主要諸元

型番CL-P032-CA06SL-A
対応ソケットIntel LGA:1156 / 1155 / 1150 / 1151
対応TDP~70W
材質アルミニウム、銅
サイズ27(H)* 91.5(L)* 91.5(W)mm
ファン回転数1500~2500 RPM
ノイズレベル13~25 dBA
接続pin4 pin PWM
重量310g
発売日2016年12月9月
補足8極モーター使用のため、Biosが読み取るRPMは実際のRPM値の2倍

フルメタルな外観


Engin27の魅力は見たままのとおり、シルバーメタリックな輝き、フルメタルな質感と119枚のラジアルフィンによる、あたかもジェットエンジンのような特異な外観です。

それ以外は取り立てて目立つ性能というわけでもなく、CPUクーラーの性能としても、TDP70W・intel LGA 1156/1155/1150/1151というくくりがあるため、概ねintel i3~i5というミドルスペック以下のCPU対応と考えて良いでしょう。冷却性能に何かしら優れた点があるわけでもないため、完全に鑑賞を視野に入れたCPUクーラーです。

つまり、昨今流行りのRGBライティング等が鑑賞できる、透明なパネルがついたPCケースで運用するCPUクーラーとなります。

ただし、他のクーラーと違ってかなり背が低いので、パーツを詰め込む小型のPCケースで運用するというのはアリかもしれません。きちんと冷却できるかは不明ですが。

パッケージ

パッケージの内容は取り立てて変わったものはなく、画像に映ってはいませんが、簡易的な多言語対応のマニュアルが封入されていました。

とはいえ、見たままの取り付けであり、バックプレートとバネネジ4つで固定するタイプで、特に取り付け自体で困ることはないでしょう。

付属するグリスが、地味に流行りのサーマルグリズリー製のCPUグリスであった点はうれしい誤算でした。買うとなれば少々お高めのグリスという事もあり、わざわざ別途買う事もなく使える点は高評価です。(私は別途購入していました…)

バックプレート

バックプレートはマザーボードを挟んで固定する、極めてシンプルなものです。

使用できるソケットもやや限定的であるため、特に悩むこともないでしょう。裏面側には粘着テープもあるため、抑えながらマザーボードをひっくり返す、というような事もせずに済みます。

固定ピン

付属物というわけではないですが、固定ピンはバネネジ仕様になっています。ドライバーが滑らないためでしょう、頭には段差があり、好印象です。

また、他ブログで言われるほど固いという印象はありませんでしたが、バネネジのバネは、それなりにテンションがあり、ゆっくりと押し付けるようにドライバーを回さなければなりませんでした。

engine27の詳細

engine27のベース近影

ベース部分はニッケルコーティングされた銅素材のようです。

見ての通り、鏡面仕上げというわけでもなく、研磨跡が残っています。CPUと接触する部分だけでも鏡面仕上げだとよかったのですが、まあ、残念ポイントです。

高さは約3mmほど。

なお、ASRockのDeskMini 110ではコンデンサが干渉したとの話もあったので、やや注意かもしれない。

シンタロー
シンタロー

なお、Asus ROG Strix H370-I gammingのマザーボードには問題なく装着できました。

engine27の直径と厚み

縦横10cm弱(91.5mm)
高さ2.8cm弱(27.5mm?)

いわゆるロープロ(Low Profile)のCPUクーラーであるので、小さくまとまっています。高さも構造上かなり低めに抑えられているため、見た目だけではなく小型PC、mini-ITXやmini-ATXを組む際には検討してもいいかもしれません。

engine27のケーブル長

可もなく不可もなくという長さですが、裏配線をするという事であれば、少々足りないかもしれません。まあその気になれば延長ケーブル等あるので、さほど問題ではないかもしれませんが。

engine27の組み込み

2019年6月時点で作成したサブPCに組み込みました。画像は仮組みしたものですが、実際に組み込んだものは以下のものです。

PCケースはレビューしましたので下記よりどうぞ。

mini-ITX規格のマザーボードへの装着のためか、隙間があまりないが、特に干渉はしない。

裏面、バックプレート部分。画像はぶれてしまったけれど、これといって特徴的なところもなし。

ちなみにバックプレート横に見えているのは、「intel SSD 660p」に「Thermal Grizzly TG-M2SSD-ABR M.2 SSD用ヒートシンク」を装着したもの。

engine27の使用感

Enthoo Evolv Shiftにengin27を実際に組み込んだもの。美しい。

温度と音について

簡易な測定を試す

PWM制御が可能なため、回転数は任意に設定する事が可能です。 Asus ROG Strix H370-I gammingでの設定は手動設定以外にも何パターンかありますが、標準で見ていきます。

検証用のPCなんて持っていないので、今回組んだもので確認。

動画の再生程度では、ファンの回転音が気になる事はありません。安定してます。

測定PC

Enthoo Evolv Shift & engine 27, intel CPU & radeon GPU PC

  • PCケース:「Enthoo Evolv Shift」
  • マザーボード:「Asus ROG Strix H370-I gamming」 *標準 *PWM制御
  • CPU:intelの第9世代Coffee Lake Refresh 「Core i5 9400F」 *画面出力なし *TDP:65W
  • グラフィックボード: msiの「Radeon RX 570 ARMOR 4G OC」*サイレント設定
  • 測定器: meterkの「騒音測定器MK09」*30cm程度離した位置に設置
  • 8極モーター使用、読み取るRPMは実際のRPM値の2倍になるため、1/2で表記
要件 経過時間 室温 CPU温度 dB rpm
Youtube再生(フルHD) 20min 26℃
43℃ 40~41dB 1,726rpm 
Youtube再生(4k) 45℃ 40~42dB 1,753rpm

上のように、フルHDと4Kの動画をブラウザ(chrome)上で再生しましたが、差はほぼないと見て良いと思います。40dB程度は、おおよそ「ささやき声・お昼の閑静な住宅地」らしいので、エアコンや扇風機の音のほうがよほど気になります。また、私の環境では宅外の道路を車が通った時の音のほうが大きく聞こえます。

4k動画再生、エンコード、ゲームなどの場合には、CPUファンよりもグラフィックボードのファンの方がよっぽど大きい音になるかと思われます。

当然ですが、一般的な使用においては、スペック通りの結果だと思われます。

engine27使用時の動画

とりあえず編集しかしていません。14分の長尺になっているので、適当にシークバーで操作しながらつまみ食いしてください。

  • 【00:05~】起動時・UFFI・OSログイン画面
  • 【04:10~】シャットダウン
  • 【04:40~】通常使用・1735RPM時
  • 【07:10~】CPU MAX時
  • 【11:20~】CPU MAX時・ケースオープン時・接写
  • 【12:20~】とりあえず接写

動画の要点としては下記の通りです。

要件 室温 最大dB rpm 所感
標準 26℃
39.7dB 1,720rpm  筒の中を気流があるような小さい音
標準時 42.0dB 2,720rpm キィィンという金属的な回転音

engine27総評

2~3年は使い込まないと最終的な結論は出せんが、1か月程度使った時点での評価は、CPUクーラーとして純粋に見ると、ほぼほぼ普通…という印象です。

特徴的なデザインであるがゆえに、人を選ぶ点はあると思いますが、見た目が気に入ったのならば購入して良いと思います。

また、ファンノイズも特徴的です。ジェットエンジンを思わせるデザインであるがゆえに、なのか……他のCPUクーラーでは聞いた覚えがあまりない、高負荷時にはわずかに「キィィン」というような独特の金属的な風切り音がします。

懸念されるのは、掃除する際にとても面倒そうなところです…。こまめに掃除ないしは、床に置かなければ良いのでしょうが、いっそ取り外して無水アルコールでじゃぶじゃぶしたほうが良いのかもしれません。また、メッキ部分が白く酸化して濁っていくという話もあるため、経過が気になります。

まああれこれ書きましたが…。

見た目を気に入ったら購入して間違いなし。

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