LGが展開するOLEDのブランドは2020年7月時点で、WX・GX・CX・BXに分かれますが、型番OLED48CXPJAが示すように、CXシリーズの日本向けミドルクラスのモデル。OLEDの大半がLG生産という事もあり、OLEDを選択肢に入れるのならばLGパネルになってしまう現状ですが、それだけにある程度の安心感があります。(実際の映像体験としてはパネル素性よりも画像処理に重きが置かれ語られている事がさらに後押しする。パネルの比較はしようがないですが)
製品自体がTVであるために、PCモニターのような諸元ステータスはどうにも情報を得難いですが、ある程度で見ていきます。
OLED48CXPJAで特に目を引くのは、HDMI2.1対応である事と、パネルが48インチとデスクに設置するサイズとしてはぎりぎり許容できそうなものである事、そしてOLEDとしては手ごろな価格という点です。
ただし、HDMI2.1については後述しますがフル帯域ではないと思われるため、基本的な問題はないと思いますが、その点も考慮する必要があるでしょう。
OLED48CXPJAの諸元スペック
パネルサイズ | 48インチ | 解像度 | 4K(3840*2160) |
パネルタイプ | OLED | パネル表面 | ハーフグレア?グレアより |
ピクセルピッチ | – | 応答速度 | 0.3~1.7ms ? |
色域 | DCI-P3:約97%, rec2020:約70% | 表示色 | 10,7億色 |
輝度 | 200~300nit? | 最大輝度 | 約700nit ? |
コントラスト比 | 000:1 | エリア駆動 | OLEDピクセル自発光制御 |
HDR対応 | HDR10/HLG/Dolby Vison IQ | サブピクセル配置 | RGBW |
リフレッシュレート | 最大120Hz | ディスプレイ同期 | G-sync C, Free-sync |
スピーカー | 20W*2, 20Wウーファー*2 | USBポート | USB3.0*4 |
VESA | ? | イルミネーション | – |
入力ポート | HDMI2.1*4 (hdmi2ポートでeARC対応) | ||
その他 | フレーム補完(倍速機能), 黒挿入,Ultra HD Premiumの認証なし、2020年7月現在は約20万円 |
OLED48CXPJAはTV製品である
大前提として本製品は当然のことですがTVです。
PCモニターとTVとの違いはなにか?という点については、根本的にはTVチューナーや実装チップによる映像調整は大前提ですが、パネルによる差異がほぼなくなった現在では、ほぼI/Oポートの違いであると考えます。
突っ込んで言えば、現時点での、PCでの用途を視野に入れた購入層ならば(つまり私ならば)DisplayPortがついているか、否かの違いです。
5年ほど前ならば入力ポートがHDMI1.4~2.0aでもそれなりに賄えていましたが、昨今の4K・高リフレッシュレート・HDRというデータ伝送を見据えてくると、HDMI2.0の18Gppsでは、なんならDisplayPort1.4の25.92Gbpsでもモニターの性能を十全に発揮する事は難しいわけです。
度々ブログで言及していますが、PlayStation5やXbox s Xなどの次世代機では4K・120Hz・HDRが仕様として盛り込まれており、実際にその品質を保てるかどうかはとにかくとして、このあたりを伝送するにはおよおそ30Gbpsから40Gbpsが必要な帯域幅であり、HDMI2.1に対応したモニター(もしくはTV)が望ましい。実際にはデータ圧縮やRGB444を諦める等の回避策はありますが。
PC接続にて4K解像度と120Hzリフレッシュレートを目指すには
当然ですが4K解像度のゲーミング環境において120Hzを達成する事はかなり難しいのですが(最新のゲームでは)、OLED48CXPJAにおいて目指すべきはとりあえずHDMI2.1接続です。
なのですが、2020年9月に発表されるであろうnVidiaとAMDの次世代GPUを購入できるまでは、そもそもPCでのHDMI2.1は現実問題としては不可能です。
実際に手に取れるまで年末まで掛かるのではないかと思いますが、だからといってHDMI2.0aで接続するのも何なので、DisplayPort1.4からHDMI2.1への変換アダプタを使う手を検討します。
たちまち見つけたものが上記のものですが、おそらくG-SyncやFree-Syncも通してくれる……ようです。
ただ注意点として、nVidiaならTuring世代以降、AMDならNavi世代以降での対応となっている点です。つまり最新世代のDSC1.2a(*Display Stream Compression)に対応している必要があるわけですが、ここが一つ悩ましいところです。
2020年7月下旬の時点では、nVidiaのAmpere-GPUが、AMDではRDNA2-GPUが発売目前となっています。(2020年末には購入できるか?)ここは全く個人的な事情ですが、私が所有しているグラフィックボードはnVidiaではGTX1080ti、AMDはRX570であり、HDMI2.1の帯域をそれなりに使おうと思うとなかなかに難しい現状があるわけです。価格の問題はあるにせよ、次世代のGPUが発売されるのに現行のものを買うかどうか?
OLED48CXPJAは買いなのか?
基本的には買って良いだろうと判断しています。時期については人それぞれでしょうし、TVという事もあるため遅延が気になりますが。
2020年7月現在では、希少なHDMI2.1対応(フル帯域ではないが)・4K・120Hzであり、次世代コンシューマ機の使用にも耐える。また、48インチの安価な価格帯になるOLEDはなかなか見つかりません。
TVであるため、なんならサブモニターに回した時、メインモニターからサブに格落ちした時にも一応の役割が出てくるでしょう。
とはいえ前述したように、PCとの接続をメインで考えるならば、AmpereやRDNA2世代のグラフィックボードが出回った時点で判断するほうが良いかと思われます。
また、LGから48インチサイズのOLEDが発売されたという事は、今後このサイズのモニター/TVが発売される可能性もあることも考慮すべでしょう。