2020年になり私がメインPCのモニターとして使っている、34インチ/IPS/3440*1440/R1900/G-sync対応の Acer Predator X34 (X34Pbmiphzx)もそれなりに使用してきたため、購入するかはとにかくとして、新しいメインモニターの置き換えを念頭に探してみようと思います。
モニターの購入条件を検討する
- UWQHD(3440*1440)*Ultra wide quad high definition
2560*1440解像度であるWQHDの、さらにワイドな規格のアスペクト比21:9のモニターを基本に選ぶ。現時点で購入できるUQWHDにカテゴライズされたものは、5120*1440解像度のものもあるが、そこまでいくのであれば通常の4Kモニターで良いと思う。
ちなみにであるが、いわゆる板タブと呼ばれるペンタブレットを使うイラストレーターにはこの手のアスペクト比が21:9などの横に長大なモニターはあまりオススメできない。モニターとタブレットのアスペクト比がずれると、正方形を書いたつもりが長方形になったりするからであるのだが、まあ相対座標から絶対座標に切り替える、マッピング、気合で慣れる等で対応できなくもない。感覚が狂うのでオススメはしない。 - リフレッシュレート120Hz以上
これは単純に、自分の目がリフレッシュレート120Hzのモニタに慣れているためで、なおかつ現行のゲーミングモニタは基本的に120Hz以上が基本であるため。 - FreeSync、AdaptiveSync対応
G-Syncも範疇であるが、上記2つを最低限満たしている事。疑念の余地なし。 - Display HDR認証対応
できればHDR1000以上のものが望ましい。なおHDR400ではあまりHDR映像画像の良さを味わえないと思われる。ただしHDRコンテンツ側がまだまだ少ないという事は留意しておくべきと思う。また、今後、ゲーム・映像類はHDRに対応すると思われるので先を見越して条件としてあげておく。 - VESA100*100対応
モニターアーム対応のため。使うかどうかは分からないが。 - スタンドのつくりが良い
モニターアームを使うならば関係がないが、机の上に直接置く場合も当然ある。モニタのスタンドが安っぽいと、打鍵しただけでモニタが揺れて大変に不快。 - 湾曲はR1900を基準
メインモニターのpredator X34が曲がり具合が緩いR1900であり慣れているため。湾曲率が高いと没入感は深まるかもしれないが、30インチ~34インチくらいのモニターであれば、R1900程度で十分だと思う。
もう一度ちなみにだが、湾曲率が高ければ高いほど水平感がズレるためクリエイターにはオススメできない。湾曲率が低ければ問題は起きにくいかもしれないが、実際に湾曲が緩めのR1900のpredator X34を使用し、視線を別のモニターに向ければ歪んで感じる事がある。 - ベゼルは狭額縁のものが好ましい
デュアルモニタ前提で考えるのならば、極力ベゼルは薄いものが良い。単体で使うにしても、見た目のすっきりさ、あるいはスタイリッシュさは、従来の分厚いベゼルのものは比較にならない。
モニターを検討する
Acer: prdetor X35 (bmiphzx)
サイズ | パネル | 解像度 | 応答速度 | コントラスト | リフレッシュレート | |
35インチ | VA(*AMVA) | 3440*1440 | 2ms (GtoG) | 2500:1 | DP:180Hz (OC:200Hz) | |
画面同期 (Sync) | HDR認証 | 最大輝度 | 標準輝度 | 色深度 | 色域 | |
G-SYNC ULTIMATE (1-200Hz) | HDR1000 | 1000nit | 600nit | 8bit+FRC | DCI-P3 90% | |
入力コネクタ | I/0 |
湾曲 | ||||
HDMI2.0 x1、DisplayPort x1 | スピーカー4W*2、USB3.0*3、Audio Out*1 |
R1800 |
その他特徴 |
量子ドットディスプレイ、直下型LEDバックライト/エリア駆動(分割数512)、VESA100*100、アンビエントイルミネーション、$2,500ほど |
2020年1月時点では海外のみでの販売。Amazonでの海外輸入が気楽にできるようになったとはいえ、電圧(100~240V対応のようだ)や不良品返済などの不安要素も加味すると、HDR1000認証や直下型LEDバックライトによるエリア駆動、そして量子ドットディスプレイ(いわゆるNanoIPSと同類の技術。IPSではないが)など、モニターとしての仕様は非常に興味が惹かれるものの、二の足を踏んでしまう。
同クラスのモニターにASUS ROG Swift PG35VQ、predator X35と似たモデルにpredator X38などがあるが、PG35VQは価格が非常に高く、X35に至っては4月発売予定のものであり価格も恐らく高価。これらの2つのモデルはUWQHDカテゴリのモニタかつDisplayHDR認証を受け、エリア駆動も搭載するためにHDR画質は高いと思われるが、このクラスを購入するのならば4K解像度のモニターのほうが良いのではないかと思う。
predator X35自体もかなり高額だが、UWQHDというカテゴリーでぎりぎりのコストを掛けるのならば、このあたりが限度だと思う。
現在私のメインモニターはpredator X34だが、スタンドはほぼ同一のものだと思われる。何が言いたいかと言うと、意外とモニター筐体の直下にはスペースがなく、例えばテンキー付きキーボードはぎりぎり収まらない。細かい点ですが。
LG:34GK950F-B
サイズ | パネル | 解像度 | 応答速度 | コントラスト | リフレッシュレート | |
34インチ | AH-IPS | 3440*1440 | 5ms (GtoG) | 1000:1 | DP:144Hz | |
画面同期 (Sync) | HDR認証 | 最大輝度 | 標準輝度 | 色深度 | 色域 | |
FreeSync Premium Pro | HDR400 | 470nit | 400nit | 8bit+FRC | DCI-P3 98% | |
入力コネクタ | I/0 |
湾曲 | ||||
HDMI2.0*2、DisplayPort1.4*1 | スピーカー4W*2、USB3.0*2、Audio Out*1 |
R1900 |
その他特徴 |
量子ドットディプレイ(NanoIPS)、DAS(*Dynamic Action Sync)、1ms Motion Blur Reduction、¥100,000ほど |
言わずと知れたLG。
単純なスペックというよりも、 1ms Motion Blur Reduction 、HDR、DAS、Sync系など色々と機能がてんこ盛りな割には、値段が安いのも評価ポイントです。
このモニターはFreeSync対応のものですが、G-Sync対応の34GK950G-Bがあり、どちらか良いかと問われれば、モニターとしての仕様はFreeSync版がリフレッシュレートやHDR対応、色深度、金額の点において優秀です。特に理由がなければFreeSync版を購入したほうが良いかと思われます。
懸念点を強いてあげるのならば、発売が2018年半ばとそれなりに経過している点です。同型後継機などの噂は今の所聞きませんが、注意したほうが良いでしょう。
しかしながら価格が非常にこなれており、¥100,000程度のもので、NanoIPSやHDR対応(HDR400程度であるが)という事であれば、ほぼこのモニタ以外に選択肢はありません。
しかしというか、やっぱり個人的にLGのスタンドのデザインは、全般的にイマイチだと思います…。
2020年1月時点でのUWQHDモニター
2018年~2019年で盛り上がりを見せたUWQHDモニターですが、2020年1月時点ではゲーミング用途としてはブームは収まり、オフィス・クリエイター向けのUWQHDがまあ発売されているなという印象です。これは4Kモニターが盛り上がりつつある影響が強いのでしょうが。
HDRパネルの普及や、ゲーミング用途といえば高リフレッシュレート及び黒挿入や入力遅延低減など、解像度やパネルインチ数のみでモニターを選ぶ時代は既に過去のものだと言えます。
3440*1440解像度が基準のUWQHDモニターは、3840*2160解像度の4Kモニターに比べ、PCスペックがフルスクリーン時にさほど必要ではないという点がメリットですが、ウィンドウモードが可能であるゲーム、UWQHDに対応しないゲーム(MHW等)をプレイする際にはそのメリットもやや薄れます。
5~6つくらいはUWQHDモニターを選ぼうと思ったのですが、2つしか選ぶ事ができませんでした。人に勧めるのであれば、LGの34GK950F-Bになるでしょうか。