CES2020までのPlayStation5についてわかっていること
去る2020年1月6日、CES2020にてPlayStation5の正式な名称とロゴが発表されました。
とはいえ特に変わったものはなく、見慣れた書体と予想されたそのままの名称とロゴであり、強いて言えば今年発売されると展望が述べられたということのみでしょうか。また現状では2020年6月開催のゲームカンファレンスE3 2020に参加しない事も分かっており、発売日時などの予測は難しい状況です。
与太話レベルならば、過去sonyがハードウェアの発表を行ってきたPlayStation Meetingが2020年2月5日に発表されるとの噂自体はあります。いわく、発売日は10月であり価格は¥55,000ほど、PS5のデザイン・スペック・UIなどが開示され、予約が始まるローンチは云々…。
発売日やPS5の仕様はとにかくとして、価格の¥55,000あたりというのは良い線いっているのではないかなと思います。というかこれ以上高くなると購入するのがバカバカしいという個人的思いもありますが。
PS5のハードウェア的特徴5つ
CES2020で明示された、PlayStation5のハードウェア的な特徴が上の画像です。
5つの特徴とは既に前情報としてもたらされていたものですが、IGNによるとそれ以外にも従来とは違う何かしらの特徴があるように示唆しています。
3D Audio Sound
要するに、スピーカーの位置や音源にメタデータが添付され(キャリブレーションが要る?)、このメターデータより高精度なサウンド環境を手に入れられるよということですが、個人的にはあまり興味がない分野なので浚うだけにしておきます。
FPS・VRのゲームをするのならば音の方向は重要な指標になり得るかもしれません。ひとつ面白そうな要素としては、レイトレーシングを利用した立体音響が利用できるかもしれないとwiredで述べられている点でしょうか(どのレベルまで実装されるかはとにかく)。Playstation5とマルチチャンネルスピーカーならば、音の周りまで調整されゲーミング環境もそうですが、Ultra-HD Blu-RayによるHDR再生映像においても有用かもしれません。元々Playstationにおけるプレイヤー機能もなかなか評価が高かっただけに、そういった意味では面白いところです。
また、ひとつ注意しておきたいのは、おそらく手軽に3D Audio Soundを体感するにはヘッドセットが良いのでしょうが、PlayStation4ではサラウンド対応ヘッドセットでもステレオ再生からの仮想サラウンドになる事例が散見されたため、ヘッドセット購入は慎重になるべきかもしれません。
なんにせよCES2020でも見受けられるように、いわゆる360度オーディオへの盛り上がりに追従するものでしょう。
Haptics Adaptive Triggers
ハプティクス(振動や動き、人間の錯覚を利用した感覚伝達)を利用したパッド。名前もそのままDualShock5(*DS5)であり、基本的な後方互換は保たれそうな内容ですが、以下の2点が気にかかる点です。
- 背面ボタンが追加されるのではないか?
- DualShock4(*DS4)に搭載されていたライトバーが見当たらない?
背面ボタンはそのままの意味ですが、パッドの裏側にボタンが追加されるのではないかという点。Xbox Eliteワイヤレスコントローラー(通称エリコン)のようなイメージでしょうか。確かにDS4を握りしめると指が開くので(LRトリガーの操作はあるものの)、その指で何かしら操作ができるのであれば、ボタンの追加はプレイフィールに寄与してくれるかもしれません。希望としてはPCに接続した際、キーアサインでキーボード入力様にショートカットが登録できれば申し分ありません。
次にDS4のライトバー。個人的にパッドを握っている際にはほぼ気にしたことはありませんし、特に必要も感じませんが……。PSVRのトラッキングに使われているため、見当たらない点は気になります。まあ画像で確認できる限りの事ではありますし、そもそも確定したものではないのですが。
また、L2R2トリガーで体感できるハプティクス技術がどの程度か、といったものも楽しみではあります。昨今のスマホに搭載されている触覚フィードバックの延長かなとは捉えています。スマホ画面でアイコンをタッチした際に感じるアレですね。記事を読む限りは、例えばレースゲームでは路面状況の伝達なども感じられるそうなので、それなりに高解像度なのかなと。
Ultra-High speed SSD
Marvel’s Spider-Manのロード時間がplaystation 4 proでは8秒だったものが0.8秒に、つまり読み込み速度が10倍になったと一時期話題になっていました。これが過去の歴代PlayStationのゲームソフトに対してどこまで適用されるかは不明ですが、読み込み速度の向上はプレイフィールに強く貢献するものと思われます。
ストレージはSamsungのNVMe-SSDなのか
そんな中で少し前の話ですが、Samsung SSD Forum 2019 Tokyoで行われた講演が上記のPcWatchの記事です。海外ブログでも多く引用されており、またNVMe-SSDでは業界でもド定番感のあるメーカーであるため、まあSamsung製のSSDが搭載されてもむべなるかなといった所でしょうか。
お漏らしなのかはか分かりませんが、曰く2020年には同社のNVMe-SSDがコンシューマ機に搭載されると提示されています。このタイミングで触れる2020年でのコンシューマ機はXbox series XかPlayStation5以外にはあり得ないため、まあそういう事なのでしょう。
それともSony独自開発のReRAM-SSDがストレージか
こちらはこちらで浪漫があるお話です。Sony ReRAM-SSDの128GBモデルはシーケンシャルリード25.6GB/s、シーケンシャルライト9.6GB/s、256GBモデルはシーケンシャルリード/ライトが倍になる爆速ストレージで、それが搭載されるという噂もあるにはあります。なんだかHBMのバス幅を思い起こさせる話ですが。実際に搭載されれば、PlayStation4 proがSATA接続で最大550MB/sであるため、128GBのReRAMでも50倍も速度が高まる計算になってしまいます。
Re-RAM自体はSonyが割と前から研究していた3D XPointメモリ、intelが言うところのOptaneを思い起こさせるわけですが、なんにしても価格がそれなりに高いため、逆ザヤ上等なコンシューマ機だとしても、どこまでが真実が悩ましいところですね。
PlayStation5で128GBのReRAM-SSDが実装されるとして、さらに数年後にはPlayStation5 proにPCle gen5.0およびReRAM256GB版が実装、なんて流れを考えると夢が膨らみますね。
あるいはSamsungのNVMe-SSD+Sony ReRAM-SSDのダブル実装
zen2+naviカスタムのPlayStation5がアクロバットにPCle gen5.0に対応するとも思えないので、PCle gen4.0接続のNVMe-SSDがストレージになる事は時期的にも無理がなく納得がいきます。
また、後述するUltra-HD Blu-Rayは100GB単位のメディアであり、ゲーム容量も最大値はそれに準じたもの+DLCになるでしょう。また、まさかPlayStation5はフルインストールが出来ないという事はないでしょうから、メインストレージもTB単位は欲しいところです。
PlayStation4 proにそれなりのSSDに換装すると、シーケンシャルリードは前述したように550MB/sほどですが、PCle gen4.0接続のNVMe-SSDは最大5GB/s程度であったかと思うため、ざっくり10倍程度の速度が出る皮算用になります。Marvel’s Spider-Manのシーケンシャルリードの短縮時間を見てもおおまか一致、また噂レベルではPlayStation5のストレージは2TBになるという話もあるため、 実際にはSamgsun NVMe-SSDがメインストレージになってくるのではないでしょうか。
まあ、結局良く分からないのは、ストレージがどのような構成なのだろうかという点です。
- メインストレージ-2TB容量: SamsungのNVMe-SSD
- 中間キャッシュ-128GB容量:SonyのReRAM-SSD
…というダブル実装が一番面白そうですが、価格に猛烈に跳ね返ってきそうで、これはこれで現実味がないかもしれません。
Hardware-Based RAY tracing
PlayStation5はAMDのAPU(Zen2+Naviカスタム)であるというのは、既に多くのブログで出回っており、Navi自体はレビューやPcWatchなどで確認すれば大まかな仕様がわかります。
ではNaviカスタムの”カスタム”とは何かという点については、ご承知の通りハードウェアレベルでのレイトレーシング対応、つまりnVidiaで言うところのRT-coreに相当するものが大なりというのが大勢の見方でしょう。
ここで気になるのは実際のレイトレーシング性能はどの程度になるのか、ですが、Zen2部分はとにかくとしても、GPUがNavi10-Liteであるのならば(つまりRadeon RX5700 or XT相当)、おおよそGeforce RTX2070~2080程度のレイトレーシンググラフィックが楽しめるかもしれません。
しかしここで楽しみと思えるのは、PlayStation5でレイトレーシング対応ゲームが遊べるという事ではなく、2021年以降、レイトレーシング対応ゲーム自体が増加するであろうという点です。
Geforce RTX 2xxxシリーズからレイトレーシング自体の認知度は大幅に向上したと思われますが、ゲーム自体は大型タイトルで数本対応されていたレベルであり、まだまだ弾数がありません。
そういった意味で、ハードとゲーム両面での普及が進めば、より面白い展開を期待したいところです。
Ultra-HD Blu-Ray
ゲーミング環境という意味では100GB単位の容量ですよで終わってしまいますが、光学ドライブが搭載されるという観点では、まず間違いなくBDプレイヤー機能は実装されているハズ。
実際にAMD NaviではVP9/H.264/H.265に(8Kという意味ではHEVCも)対応しているため、8K解像度とにかくとしても、4K+HDR映像が視聴できるであろうという点と、まあ、オーディオ機器も含めるのであれば「360 Reality Audio」というワードに気を付けて購入したほうが良いかもしれません。具体的にはPlayStation5が発売される年末商戦頃までは、そこまで買い替える必要性がなければモニターやテレビを買い替えるのであれば様子見をした方が無難という事です。
可能ならば、HDR10+やHDR1000あたりをキーワードに探してみると良いかもしれません。何にしても、買い替えるぜという場合でも、少なくともオリンピック商戦までは待つべきでしょう。
PSVRはどうなるのか?
- VRはSIEにとって重要である。
- 現行のPSVRはPlayStation5においても使用できる。
2020年1月時点では、PSVRがPlayStation5でも使えるという点が最も重要かもしれません。とはいえフレームレートの多少なりとも安定するであろうな、といったことや、少なくともPlayStation5にはUSBポート・USB Type-Cポート(*DS5はtype-C接続)の混合であろうなといった程度しか分かりません。
一方でXbox側はVRに対して消極的であるように見えます。実際にVR元年などと言われた2016年以降、各種VRデバイスが発売され現在も新機種は登場していますが、2016年頃の盛り上がりはあまり感じられません。根本的にはコンテンツ不足が問題ではありますが、視野角やリフレッシュレート、パネルの解像度等のスペックが追いついてないという点も大いにあります。
そう遠くないうちにPSVR2も販売されると思われますが、2020年1月から見たVR機器は、基本的なスペックの向上(視野角・解像度等)に加えて、ワイヤレス化、高精度なトラッキングがVR機器単独で行えるようになる(ベース不要)など、快適さも実現されつつあります。
さてPSVR2はどうなるかは未だ見えてきませんが、 PlayStation5の仕様という意味ではI/Oがどうなるかという点で気になります。
AMD Radeon W5700で唐突にUSB Type-Cが実装され、Navi-GPUではDisplayPort Alternate Mode、Power Deliveryなどが実装されていた事が判明したわけですが、つまりこれはnvidiaのGPUでは実装済みのUSB Type-Cを利用したVirtualLink相当のものが、PlayStation5にももしかしたら…? とは飛躍した想像ですが。
PlayStation4ではHDMI出力がひとつしかなく、PSVRはアダプタを介して面倒な接続やH.264デコードを行う必要があったわけですが、Navi-coreで行える以上、ワイヤレス化という道もありますが、ケーブルをひとつにまとめられるメリットは大きいと思われます。もしそうなるのでれば、HDMIであれば現行のPSVRは使えるのは道理でありますし、ハードウェアとしてはコストはとにかく面白みがあります。
2020年末のクリスマス商戦を待とう
以前もPlayStation5情報に引き続きまとめてみましたが、ゆるゆると情報が公開・確定されているようで楽しみですね。目下最大の興味は仕様そのものですが、一般的に重要なのは発売日時と価格だと思われます。PlayStaiton4のときとは違い、日本で発売が遅れるという事もまあ、なさそうなので、期待して待っていたいと思います。