Radeon RX5500はRX 570, 580, 590からの置き換えに好適か?
各サイトでRadeon RX5500の発売が周知され始めました。現在、Radeon RX 5500はOEM市場向けにのみ発売されていますが、一般層が自作できるものは12月12日以降になりそうです。目の前ですね。
Radeon RX5500とPolaris世代のGPUは
GPU | RX5700 | RX5500 | RX580 | RX480 |
---|---|---|---|---|
アーキテクチャ | RDNA (Gen1) | RDNA (Gen1) | GCN (Gen4) | GCN (Gen4) |
GPUコア | navi 10 | navi 14 | Polaris 20 | Polaris 10 |
製造プロセス | 7nm | 7nm | 14nm FinFET | 14nm FinFET |
トランジスタ数 | 103億 | 64億 | - | - |
ピーク単精度計算 | 7.95T FLOPS (*Max) | 5.2T FLOPS (*Max) | 6.2T FLOBS (*Max) | 5.8T FLOBS (*Max) |
演算ユニット | 36CU | 22CU | 36CU | 36CU |
ストリームプロセッサ | 2304基 | 1408基 | 2304基 | 2304基 |
VRAM | GDDR6 8GB | GDDR6 8GB | GDDR5 8GB | GDDR5 4GB |
メモリ帯域 | 448 GB/s (256bit) | 224 GB/s (128bit) | 256 GB/sec | 224 GB/s |
クロック | base:1,465 MHz game:1,625 MHz boost:1,725 MHz | base:1,670 MHz game:1,717 MHz boost:1,845 MHz | base:1,257MHz -------------------- boost:1,340 MHz | base:1,120MHz -------------------- boost:1,266 MHz |
接続 | PCle 4.0 | PCle 4.0 | PCle 3.0 | PCle 3.0 |
電源pin | 8pin (1) + 6pin (1) | 8pin (1) | 8pin (1) | 6pin (1) |
公称典型消費電力 | 180W | 150W | 185W | 150W |
個人的には、上記テーブルのRaddeon RX5500、RX580、RX480は、ローエンドからミドル帯のグラフィックボードであると考えています。おおよそ値段も2万円以内と、それなりにお手頃な価格帯。
また、このクラスのものは、見出しには「置き換えに好適」と書きましたが、場合によっては、値段が落ちてきたミドル~ハイエンド帯のグラフィックボードを買う事も選択の一つです。テーブルには記載していませんが、Radeon Vega RXシリーズもありますしね。
スペックを確認しても、おそらくRadeon RX5500で不満なくゲームプレイができるのは、モニターにもよりますが、がんばってWQHD~フルHD程度で、かつグラフィック設定も妥協する必要があると思われます。
Radeon RX5500はNvidiaのグラフィックボードに対抗できるか
大まかな性能差が次の通りです。
GPU | GTX1650super | GTX1660 | GTX1660super | GTX1660ti | RX5500series |
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GPUコア | Turiing (RT/Tensor core 無し) | Turiing (RT/Tensor core 無し) | Turiing (RT/Tensor core 無し) | Turiing (RT/Tensor core 無し) | navi |
製造プロセス | 12nm FinFET | 12nm FinFET | 12nm FinFET | 12nm FinFET | 7nm |
トランジスタ数 | 66億 | 66億 | 66億 | 66億 | 64億 |
演算ユニット | 20CU | 22CU | 22CU | 24CU | 22CU |
ストリームP | 1,280 CUDA Core | 1,408 CUDA Core | 1,408 CUDA Core | 1536 CUDA Core | 1408基 |
VRAM | GDDR6 4GB | GDDR5 6GB | GDDR6 6GB | GDDR5 6GB | GDDR6 8GB |
メモリ帯域 | 192 GB/s (128bit) | 336 GB/s (192bit) | 336 GB/s (192bit) | 288 GB/s (192bit) | 224 GB/s (128bit) |
クロック | base:1,530 MHz ------------------- boost:1,725 MHz | base:1,530 MHz ------------------- boost:1,785 MHz | base:1,530 MHz ------------------- boost:1,785 MHz | base:1,500MHz ------------------- boost:1,770 MHz | base:1,670 MHz game:1,717 MHz boost:1,845 MHz |
メモリクロック | 12GB | 8GB | 14GB | 12GB | 14GB |
接続 | PCle 3.0 | PCle 3.0 | PCle 3.0 | PCle 3.0 | PCle 4.0 |
電源pin | 6pin (1) | 8pin (1) | 8pin (1) | 8pin (1) | 8pin (1) |
TDP | 100W | 120W | 125W | 120W | 150W |
価格 | ~ ¥31,000、rx5500程度? | ¥31,000 ~ | ¥31,000 ~ | ¥31,000~¥43,000 | ¥20,000弱になる? |
AMDのRadeon RX480からは1.6倍、nvidiaのGeForce GTX 1650からは3割増しとの触れ込みですが…。
AMDもゲーミング用途に力を入れ、秘伝のタレのように継ぎ足し継続してきたGCNアーキテクチャからRDNAアーキテクチャに切り替わりましたが、まだnvidiaには及ばないと思われます。囲い込みの成果もあり、また、どちらかというとAMDはCPUに注力しているように見えるため、グラフィックボードで大きく成果が出るのは少し時間が必要だと感じます。2020年末には、Zen2+Naviカスタム(RDNAアーキテクチャ)仕様でPlayStation5が発売されるため、PCでゲームも楽しむ場合にもAMD Radeonのグラフィックボードで何かしら優位性が生まれれば面白いとは思うのですが。
RX5500シリーズを始めとしたNaviコアにはFluid mottionがない
これは各所でも散々言われている事ですが、Navi世代のコアにはフレーム補完機能であるFliuid mottionがありません。なくても別に困るわけではありませんが、ちょっとした売り文句には使えると思うのですが、Navi、つまりRDNAに切り替わってから音沙汰なしです。
個人的な興味は……。
購入する事はないでしょう。所有しているサブPCのグラフィックボードが現在Radeon RX570なのですが、前述したような仕様であるのならば、あまり交換する意味がありません。RX570でもフレームレート・解像度にこだわらなければゲーム(FF14とか)ができないこともないので……。
ただAMDとnvidiaとのシェア争いという意味では、またRDNAアーキテクチャの先行きのひとつとしては興味深いところですね。