以前、気になるモニタとして取り上げた「ROG Strix XG438Q」ですが、海外でレビュー記事が出始めたようなので、続報としてチェックしておきます。
海外レビューを受けてのROG Strix XG438Qの諸元スペック再確認
パネルサイズ | 43インチ(16:9) | 解像度 | 4K (3840 x 2160) |
パネルタイプ | VA | パネル表面 | ノングレア |
ピクセルピッチ | 0.2451mm | 応答速度 | 4ms (G to G) |
色域 | DCI-P3 90% | 表示色 | 10億7,000万 (8bit+FRC) |
輝度 | 450 cd/㎡ | 最大輝度 | 646 cd/㎡ (最大ピーク) |
コントラスト比 | 4000:1 | エリア駆動 | エッジ型・8分割? |
HDR対応 | HDR600 / HDR10 | サブピクセル配置 | BGRレイアウト |
リフレッシュレート | 120hz (48-120Hz VRR) | ディスプレイ同期 | FreeSync 2 HDR |
スピーカー | 10W * 2 | USBポート | USB 3.0 * 2 |
VESA | 100x100mm | イルミネーション機能 | Aura Sync |
入力ポート | HDMI (v2.0) *3 / DisplayPort 1.4 *1(*HDMI接続時、最大60Hz) |
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その他 | ヘッドホン出力(オーディオパススルー) |
おおむねニターとしてのスペックはあらわになってきたというところでしょうか。気になる点がいくつか出て来ましたが、現状では数少ない「4k・HDR・120Hz・FreeSync2」のモニタとして受け止める必要があります。
BGRサブピクセル配置
各海外レビューを眺めていると、最大の欠点として挙げられているのが、サブピクセル配置がRGBではなくBGRだという点です。なぜこうなった。
ピクセル配置、サブピクセル配置は根の深い話題で、なんとも言いづらいところはあるのですが、「ROG Strix XG438Q」の価格が10万は超え、むしろ20万に近いと考えると、かなりのマイナス点です…。
実際の弊害としては、フォントが読みづらいであろう事が挙げられます。海外レビュー先で画像がでていますが、RGB配置に比べ、文字がかすれて見えるという……。
ただし、完全にゲーム用途や映像を見るんだ、という事であれば比較的許容できるものかもしれません。
まあ、さすがにこのモニタでは文字を読まないという方はいないと思うのですが。あからさまにゲーミングモニタ仕様であるので、事務仕事・DTPをするという理由がメインで購入する方はあまりいないとは思うのですが、気を付けておく必要があります。
表示色は10億7,000万 (8bit+FRC)
ここは許容できる点ですね。10bit表示が好ましいのは確かですが、際立って差がでるわけではないので、まあ気にする必要はないでしょう。そもそも2019年Q3時点では10bit表示が可能な環境を持っている方も少ないでしょう。
リフレッシュレートは最大120Hz 、FreeSync2適用は48~120Hz
リフレッシュレートの適用範囲はFreeSync2で、48Hzから120Hz。
これは48Hzをどう捉えるかで評価が変わります。ここまでリフレッシュレートが乱高下する使用はゲームくらいでしょうが、実際的な問題として気にする必要はないと考えます。48Hz以下になるようなPC環境である場合、これはもうモニタとSyncがどうこう言う前に、スペックを見直せというレベルのお話です。
実際、ゲームプレイ時に48Hz以下になると、いくらSyncが効いていても画面表示に違和感を感じます。あからさまにガクガクはしないのですが、ゲーム操作が重くなったような、間延びしたような眠たい表示に。表示のカクツキや断裂をなくすSync系の機能ですが、出力するコマ数が減れば、もちろん画面表示は相応なります。(ぱらぱらマンガのページ数が減ったイメージと言えば伝わるでしょうか)
結論としては、リフレッシュレート120Hzというモニタであれば、当然PCスペックも、せめて90Hz~100Hzは維持できるように設定(ゲーム環境・PCスペックとして)するべきであり、下限48Hzは気にする必要はないかと思います。
また、4K解像度・リフレッシュレート120Hzを維持する場合、色深度を落とさざる得ない点も考慮すべきでしょう。現実的にはリフレッシュレート100Hzを目指すべきモニタと思われます。
応答速度は4msは実用的なのか?
ROG Strix XG438Qの公式なスペック表は「4ms (GtoG)」なのですが、これは120Hz・オーバードライブを最大にかけた場合と思われます。海外レビューサイトでは120Hz・オーバードライブをレベル4設定で8~10msとの記載を見ました。私の勘違いでなければですが。
ただし、これはどんなモニタも大概そうですが、オーバードライブを最大レベルでかけたとき、オーバーシュート・アンダーシュートが激しく、スミアやブラーが発生してしまい(つまり視覚的に画面内で動くオブジェクトが光りブレが見える)がちであるため、ある程度は許容し差し引いて見る必要があります。
そもそもVAパネルであるため、一般的に高い応答速度を期待できるものではありません。もちろん支障をきたすものではありませんが。
画質という意味でIPSパネルが一番だという事は間違いでありませんが、黒のキレイさで言えばVAが上だと個人的には思います。つまりまあ、やはり動画向けのモニタですね。
果たして「ROG Strix XG438Q」は”買い”なのか?
用途をよく考える必要があります。
このモニタはとにかく高いから高品質だろうというようなモニタではありませんが、それでも映像を(あるいはゲームも)中心に考えるならば、良い選択肢でしょう。
4K解像度・HDR・120Hz・FreeSync2という要素に加え、VAパネルという点は映像中心に考えれば、かなりのパフォーマンスだと思われます。
また、個人的には以前投稿した、スペックがひとつ上(だと思われる)のAcerの「PREDATOR CG437K P」が控えている事もあり、「ROG Strix XG438Q」をすぐさま購入というのはためらうところです。
基本的な素性は共通しているハズですが、CG437KPが恐らく価格が上であるため、実売価格の確認を急ぎたい所です。
お値段は?
海外価格でおおよそ17~18万円くらいでしょうか。海外輸入してまで買う気は(今のところ)ないのですが、まあそんな値段だろうなと思います。
年内に国内発売されればいいのですが……。