https://dlcdnets.asus.com/pub/ASUS/LCD%20Monitors/VG27BQ/VG27xQ_Japanese.pdf
ASUSのTUFシリーズとしてゲーミングモニターが発売されます。WQHD・HDR10・各種Sync系を手堅くまとめ、AdpativeSync下でELMB(モーションブラーを低減)使用できるという、オンリーワンな機能が気になるモニタです。
パネル性能そのものはさほどではないものの、手堅くまとまっているという点では押さえておきたいモニタ。発売が間近という事もあり、見ておきます。
TUF Gaming VG27AQの諸元スペック
パネルサイズ | 27インチ | 解像度 | WQHD (2560 x 1440) |
パネルタイプ | IPS (AU Optronics AHVA) | パネル表面 | ノングレア |
色域 | 標準色域99% sRGB | 表示色 | 約1677万色 (8bit) |
輝度 | 350 cd/㎡ | コントラスト比 | 1000:1 |
HDR対応 | HDR10 | 応答速度 | 1ms (MRST)、4ms (G2G) |
リフレッシュレート | 144Hz (標準)、165Hz (OC) | ディスプレイ同期 | Adaptiv-Sync、FreeSync、G-sync Compatible |
スピーカー | ステレオスピーカ (2W+2W) | USBポート | – |
VESA | 100mm * 100mm | 付加機能 | ELMB-Sync |
I/Oポート | DisplayProt 1.2 (x1)、HDMI 2.0 (x2) | ||
発売時期 | 2019年11月10日 | ||
値段 | ¥52,000~ |
気になるところを抜き出したものが上の表になります。
一覧で眺めると、リフレッシュレートと応答速度、そしてASUSが「ELMB-Sync」と呼ぶ機能以外は、1世代前の仕様かなという印象です。
ELMB-Syncとは何ぞや?
ELMB (Extreme Low Motion Blur)
ASUS独自のモーションブラーを低減する機能がELMB(Extreme Low Motion Blur)と呼ばれるものです。要するに、ゲーム内で視点やカメラ位置を動かした際や、Webブラウジング中にスクロールする際に見えるブレやボケを低減する機能。
動作としては、いわゆる黒挿入と同等のものだと言われ、フレームとフレームの間に、真っ黒なフレームを挿入する事で残像を減らすという内容です。一般的にはMotion Blur Reductionと呼ばれるものと同等のようです。BenQではDyAcなんて呼び方もしていますね。細かい違いはとにかくとして、機能としては同一のものです。
また、細かい事を言えば、やれパネルがホールド型なのかインパルス型だの、追従視という要因が存在します。画像を表示するためにモニターのピクセル内では、画像の切り替え、輝度や色変化のために時間が必要ですが、その時間差による残光のような現象が発生します。これを知覚すると、あたかも残像が見えるようになるわけです。
モニターの仕様といえばそうですが、人間自体の仕様として残像が見えているわけですね。
これを低減するにはリフレッシュレート・応答速度などの要素が大きく関わるわけですが、残像そのものを感じさせないようにするために、フレーム・その次のフレームと、残像要因になる連続した表示に別画面(黒挿入)することで、残像を抑制するという機能になります。
つまり、リフレッシュレートや応答速度を高める方向とは別軸の機能でブレ・残像を抑えるわけです。半面、黒い画面を挿入するために画面が暗くなると言われます。
ELMB-Sync
ELMBとしての機能は前述した通りでかなりの効果が出るため、2010年代にはテレビには実装され始め(Motion Blur Reductionとして)ています。また、近年のゲーミングモニタでも一部実装されており、それなりに売りになっていたかと記憶しています。
ただしAdptiveSync・FreeSync・G-syncとは併用ができないという最大の欠点がありました。
これは非常に悩ましい欠点で、ブレやボケの低減を狙うのか、カクツキをなくすのか…という2択にならざるを得ませんでした。十分にマシンスペックがあり、FPS・リフレッシュレートが常に一定値で出力できるならば、コンシューマ機をモニターに繋げて遊ぶのならば、ELMBを選べばいいのですが。
ともあれ、Sync系とELMBを同時に使えますよ!…という機能として、「ELMB-sync」と銘打ってるわけで、FreeSync・G-syncに続く新形式!というわけではありません。 出ても困りますが。
とにかく、このモニターの最大の魅力はここにあります。
ELMBとSync系が同時に使える!
つまるところ買いなのだろうか?
ELMB-sync以外は特筆すべき点はなく、パネルとしてはやや形が古いものの、手堅く固まっているといったところでしょうか。値段がもう\5,000-程度安ければ…と思いますが、アリ。
Sync系が一通り揃っているので、長い目で見ればサブモニタとして運用も十分視野に入るでしょう。デュアルモニター状態で、ELMB-syncがどういう挙動をするかは不明ですが……。
気になる。
追記2019.11.30
購入したのでレビューしました。