時期 | プロセス | バックポート | 特徴 |
---|---|---|---|
2019年 | 10nm | - | |
2020年 | 10nm++ | - | |
2021年 | 7nm | 10nm+++ | EUV |
2022年 | 7nm+ | - | |
2023年 | 5nm | 7nm++ | *NewFeatures |
2024年 | 5nm+ | - | |
2025年 | 3nm | 5nm++ | *NewFeatures |
2026年 | 3nm+ | - | |
2027年 | 2nm | 3nm++ | *NewFeatures |
2028年 | 2nm+ | - | |
2029年 | 1.4nm | 2nm++ | *NewFeatures |
2029年にはintelの製造プロセスが1.4nmに達する
かもしれないというロードマップ。IEEE International Electron Devices Meetingにてオランダの半導体製造企業であるASMLがもたらしたと言われているものが、前掲した図のものになります。
今後10年間にわたるロードマップという事ではあるのですが、海外を含めた各サイト先ではどちらかというと懐疑的な意見が多いように見受けられました。つまり14nmで何年も停滞しているintelが本当に達成できるのか?という話です。なんなら2029年に来ているのは14nm+++++++++++++だぜというコメントもあり笑ってしまいましたが。
とはいえ、もっともな反応ではあるわけです。株価対策であろうこれまでのintelのコメントは当然ながら前向きなもので、2019年時点で10nm CPUは達成できるという話は耳に新しいと思いますが、期待していたデスクトップ版であるSモデルは来ませんでした。ノートPC版のU/Yモデルが出たので、まあ間違いではないのですが、それではないという印象はぬぐえませんでした。
現状で聞くSunny Coveの先のアーキテクチャは、Willcom CoveやGolden Cove。またCPUのネームとしてはTiger Lake、Rocket Lake、Meteor Lakeなどを聞きますが、実際に最新のSunny Coveを適用した10nmのIce Lake-CPUがラップトップに留まっている事や、結局14nmで製造されたComet Lake-CPUがデスクトップの限界になっている事も含めると、なんとも信じづらいものだと言う感想は仕方のないことだと思われます。
気になる点といえば、2年毎の「new features」ですが、これはまあintelが言う、チックタック戦略から3ステージ(微細化→機能向上→最適化) 戦略の混合であるのかなという印象です。ロードマップ図の印象では、①微細化+機能向上(X-nm)→②プロセス最適化(X-nm+)→③微細化+機能向上(Y-nm or Xnm++)という、なんだかチックタック様に思えますが、Comet Lake-CPUが14nm++で製造されるように、一部のCPUコアは製造プロセスの改良版で対応しますよという、また混乱しそうなラインナップを予感させます。
あくまでロードマップはロードマップで、いつでも書き換え可能なものであるという前提ですが、実際の企業・売上規模はとにかくAMDの背中を追いかける形になっているため、intelには頑張ってもらいたいものです。
intel 10nmから7nmの世代の特徴
wccftecでは下記の特徴を述べています。
10nm ~ 10nm++
- 14nm世代に比べ、10nm世代はトランジスタが2.7倍の密度に
- SAQP(自己整合型クオドルプルパターニング技術によるピッチ微細化)
- COAG (Contact Over Active Gate) (*セルの縮小化)
- チップ配線のうちM0層、M1層にコバルト素材を導入 (*配線による遅延時間の減少、エレクトロマイグレーション対策)
- 第一世代のFoveros 3Dスタッキング(*3次元積層、CPU等のロジック回路同士の積層)
- 第2世代のEMIB 2.5Dスタッキング(*Embedded Multi-die Interconnect Bridge)
7nm ~ 7nm++
- 10nm世代に比べ、7nm世代はトランジスタが2倍の密度に
- 計画的なノードの最適化(X-nm → X-nm+ →X-nm++)
- 設計の複雑さを25%緩和
- EUVの導入
- 次世代Foveros, EMIB
5nmからその先は
10nmから7nm世代の技術的な話題は、ここ数年ちょくちょく出ていたわけですが、これが前掲したス図にある「new featurs」であるのならば(EUVだけしか記載してませんが)、2023年の5nm世代はいかなる技術的な話題がもたらさせるのか楽しみではあります。
上記のようにナノシート構造や、GAA構造など、論文から技術的発表はすでに行われており、Samsungがリスク生産を行うと述べており、先が楽しみですね。
…しかし、Cove設計のデスクトップCPUが購入できるようになるのはいつなのか、それだけが気がかりです。