2019年Q3に入り、intel 10nm CPUこと第10世代core、「Ice Lake(モバイル向けSKU)」が搭載されたノートPCの出荷が始まり、いよいよintelも10nm世代に入ったかと思っていた矢先のリーク情報です。
2016年に立ち上がるハズだった、intelが10nm製品群が遅れに遅れ、さらに遅れて2019年に一応の出荷を見ましたが、これはあくまでモバイル向けのもの(Uシリーズ、Yシリーズ)であり、一般購入層が望むデスクトップ版ではありませんでした。……自作できませんからね!
2019年中にはデスクトップ版10nm CPUが正式に発表され、2020年のどこかでは10nm CPUが購入できるのかなと思っていましたが、それもまた難しいようです。
intel 10nm製品群はスキップしまくり
Hardwareluxxによると、デスクトップ版10nmは完全に廃止され、2021年以降の予定でデスクトップ版7nm CPUを目指すとの事。また、2022年にデスクトップ版7nm CPUのMeteor Lakeとしての発売を予定するようです。
また、おそらくモバイル向けであったであろうTiger lake(や、或いはAlder Lake)も一律にスキップされてしまうとHardwareluxxは述べています。
現状の10nm CPU「Ice Lake」ではクロック数が上がらず、モバイル向けのSKUを用意するのが精いっぱいであり、熟成されている14nmでの製造を継続され、サーバーやモバイル向けのものだけが当面の10nm製品になると読み取れます。
intelは14nm・SkyLakeベースでどこまで戦うのか
2021年までは14nmだと思っておいたほうが良いのかもしれません。当面は14nm++のComet LakeやRocket Lakeで、2022年ごろに7nmのMeteor Lakeが発売される予定ということになります。
第6世代Sky Lakeからリフレッシュ&リフレッシュさらにリフレッシュという、現行の第9世代Coffee Lake Refreshから第10世代Comet Lakeは諦めるにしても、第11世代になるであろうRocket Lakeがどうなるのかが不明です。デスクトップ版はもう7nmまでSky Lake系で出すんだいと言われても特に驚きはしませんが。
iGPU関連はGen12がMCMで改定されるようですが、ローエンドレベル(1080p解像度帯で十分な程度か?)以上の期待できるかというと……。あまり期待しないほうが良い気はします。
7nm世代に入り、大枠としてのアーテキテクチャであるSummy Coveがようやく適応される、のかもしれません。
にしてもやっぱり今の14nmのintelのラインナップは分かりづらいですね。
2020年まで14nm CPUを使い続ける運命
Gen | アーキテクチャ系列 | コードネーム | プロセス | 発売時期 |
---|---|---|---|---|
第6世代 | Sky Lake | Sky Lake | 14nm | 2015年8月 |
第7世代 | (Sky Lake Refresh系) | Kaby Lake | 14nm+ | 2016年8月 |
第8世代 | (Sky Lake Refresh系) | Coffee Lake | 14nm++ | 2017年10月 |
第9世代 | (Sky Lake Refresh系) | Coffee Lake Refresh | 14nm++ | 2018年10月 |
第10世代 | Sunny Cove | Ice Lake Comet Lake | 10nm+ 14nm+++ | 2019年 2020年? |
第11世代 | Sunny Cove | Rocket Lake | 10nm++? | 2021年? |
第12世代 | Sunny Cove | Meteor Lake | 7nm? | 2022年? |
個人的には2020年中に、ゲーミングに主に使用しているCore i7 6400KのPCを組みなおすつもりでした。2019年時点で3年は遅れていた10nm CPUが2020年に発売され、PCle4.0を始めとした超高速帯域の製品も出始め、外部出力もHDMI2.1やDP2.0などが整備され、PCパーツ全てまとめて世代が進む印象があったためです。
intelは10nmは好調であるもうすぐ製品が出ると度々PRしており、AMDの攻勢に他コアが進み、またプロセスルールもTSMCやSamsungがやれ7nmという流れがあっため、intelもようやく…というところでしたが。
目論見木っ端微塵です。
上のテーブルは単純にプロセスルールとアーキテクチャを載せたものですが、こうしてみると、10nmの失敗の影響が延々と続いているのだなと感じます。
10nmを出荷できないために14nmの成熟が進みまくり(14nm+++!!)、10nmで製品群を出すよりも14nmのほうがコスパいいじゃないという本末転倒状態が続いてしまっているという、悲しい状況です。
いつPCを自作すればいいんだ!!
”Sandyおじさん”なんて言葉もありましたが、自作をする人にとっては、14nm難民といってもいいかもしれません。
それはさておき。
結局のところ、この手の話は作りたくなった時が、というのがベストアンサーであり、不文律でもあります。 が、「現状困っていないけれど」といった程度であれば、以前としてintelがデスクトップ版10nm CPUを出荷した時が作りどきでしょう。
2年後だとして、その間にAMDがintelを追い立て続ければ、14nmに纏わる不断の苦しみは救われる…かもしれません。だといいな。
【続報】intelがデスクトップ版10nm CPUのロードマップは存在すると反論
いやいや存在するんだというtom’s HARDWAREの記事。
10nmプロセスの製品は大きく進歩を続けており、ロードマップにはデスクトップ版も含める
という事らしいのですが、実際のほどはなんとも言えず、正直なところ遅れると思っていたほうが良い気がします。過去にも10nm CPUに関してintelが「順調である」と述べたことがありますが、実際には「
i3-8121U」が出たりモバイル向けに出るであろうというだけで、恐らく期待されていたデスクトップ版は、未だ姿を見せません。
他のブログを含め、このintelの反論に対して、もろ手を挙げて追従しているところは見当たりません。何しろもう何年も10nmは遅れに遅れているわけですから。
とはいえ、intelが順調であると言うのであれば、もちろん10nm CPUのデスクトップ版を生産出荷してもらいたいものです。