なかなか衝撃的な話です。intelが予定しているディスクリードGPUである「Xe」がDG1を除き自社Fabではなく、外部であるTSMCに委託生産する可能性があるという話。
兆候というか、しばらく前に、intelのグラフィック部門のトップであるラジャ・コドゥリ氏がTSMCやSamsungを訪れているという話があり、Xe自体は外部で製造されるのではという噂自体はありました。Samsungが受注を失敗したなんてニュースもありましたね。
ここ数年のintelは10nm以降のプロセス微細化に躓いており、その煽りを受けた14nm世代に10億ドルもの追加設備投資を行うなど、実際の財務状況はとにかくとして、先端プロセスではTSMCに水を開けられた形になっていました。
10nm世代に関しても相当に四苦八苦な状況であるようで、デスクトップ版の10nm-CPUはいまだ姿が見えず、ラップトップ向けのice lake-CPUで足踏み状態です。収益性も22nmや14nmに劣り、10nm世代はほどほどにして、7nm/EUV世代へ移行したいというのがintelの姿勢であるようです。
今回の話は、intelは2021年にTSMCの6nm EUVプロセスを使用して、独自の研究用GPUとチップセットの生産を開始するという噂も含まれていますが、現在のTSMCでは10nmやそれ以降の先端プロセスの製造が集中しており、AMDを始めnvidia、何ならSONYのCMOSイメージセンサーも含まれる話があり、それはそれでTSMCの生産力は問題ないのか?という思いも無きにしも非ずです。
本題のXe-GPUですが、DG1以降はTSMCの6nmプロセスに引き渡し、2022年までにTSMCの3nmプロセスも使用すると報告されています。(*DG = Discrete Graphic? 単体GPUの略かと思われる)
ちなみにバリアントやセグメントで見ると、Xe-GPUは以下のように予定されています。
- intel Xe LP(統合グラフィックとエントリーモデル)
- iDG1 LP DEV = Intel UHD graphics Gen12 LP DG1
- intel Xe HP(ミドルレンジやエンスー、データセンター向け、AI学習向け)
- iDG2 HP 128 = Intel UHD graphics Gen12 HP DG2
- iDG2 HP 256 = Intel UHD graphics Gen12 HP DG2
- iDG2 HP 512 = Intel UHD graphics Gen12 HP DG2
- intel Xe HPC(HPC、エクサスケールコンピューティング向け)
- Ponte Vecchio (ポンテヴェキオ、ポンテベッキオ)
当面お目見えしそうなのは、Tigar Lake-CPUに載るであろうintel Xe LPになるでしょうか。今回のDG2以降のXeはTSMCから、という事なので、Tigar Lake-CPUのiGPUであるXe LPはintelのFabから出荷されるのでしょうね。